小児の遺伝子-検査


はじめに

単一遺伝子疾患およびメンデル遺伝病に分類される疾病は5,000種類を超え、世界で何百万人もの人々が罹患しています。メンデル遺伝病は病院における小児の罹患率および死亡率は著しく高く、実際に、小児のメンデル遺伝病は、およそ半数の失明、難聴、重度の精神遅滞症例の原因であり、40-50%の小児死亡の原因になっています。

 全エキソームシーケンシングに基づく臨床検査は、単一遺伝子性疾患およびメンデル遺伝病の遺伝的原因の同定に有効であることが実証されています。この複雑な検査プロセスによって、ヒトエクソームに含まれるほぼ22,000個の遺伝子を同時に検査することができ、検査効率の改善に結びつくのです。

 私たちが提供するRainbow Pediatric Care™ testは、小児患者のために設計されています。この検査は、遺伝子が原因であろうと思われる臨床所見をお持ちの患者様を対象とした全エクソームシーケンシング検査です。


Rainbow Pediatric Care™ Test

エクソームシーケンシング検査はメンデル遺伝病を持つお子様に特に有用です。これにはご家族に事前の遺伝性症候群のない場合(家族歴がない場合)でも同様です。 この検査によって、幼い患者様が、さまざまな遺伝子検査や生化学検査を何度も受けても確定診断が得られず、治療が遅れてしまうことを防ぐことができます。

Juntendo University 臨床ゲノミクスセンターとの連携について。Rainbow Pediatric Care™ Testでは、100〜150倍の深度のエクソームシーケンシングとJuntendo University 臨床ゲノミクスセンターでの遺伝子検査の臨床解釈についての長年の経験とを組み合わせることで、明確な結果が得られる効率を向上させています。対象とする容態としては、種々の発達遅延、神経障害、てんかん、自閉症、低血圧症、小児期発症性運動失調症および異型性特徴などが含まれます。

小児ケースにおいて、本人解析かトリオ解析か。小児患者において、ご本人のシーケンシング検査に加えて、ご両親のシーケンシング検査を行うことで明確な結果が得られる効率が増大します。特に、家族に既往歴がない場合は診断の確実性が上がります。より高い効率を得られる理由の一つは 、トリオ解析をする中で、患者様における新規の突然変異と複合ヘテロ接合体変異の識別ができるからです。私たちは可能な限りトリオ解析を推奨いたします。


検査内容

この検査を受けていただくには、最寄の弊社指定の診療所で医師の診断を受けていただきます。そして、担当医師から検査の発注を受けます。その後、CAP認証(College of American Pathologists;米国病理学会)またはCLIA認定(Clinical Laboratory Improvement Amendments;臨床検査改善修正法案)の検査機関で、100Xから150Xの範囲を網羅する臨床的全エクソームシーケンシングが実施されます。

世界をリードする専門家が臨床解釈をし、正確な検査を行います。

22,000個を超える遺伝子からなるエクソーム全体をデータ解析し、臨床解釈を行うことは、とても複雑なプロセスです。原因となる変異を見逃し(false negative)たり、あるいは、誤検出(false positive)をしないためには、経験と実績を積んだ確かな力量が必要です。

わたしたちは、最高精度の検査結果を保証するために、米国最大のかつ最も歴史ある遺伝子検査研究所の1つであるJuntendo University 臨床ゲノミクスセンターと契約し、臨床解釈を行っております。全てのデータ解析と臨床解釈は、ACMG(American College of Medical Genetics and Genomics;米国臨床遺伝・ゲノム学会)のガイドラインに従って、Juntendo University 臨床ゲノミクスセンターによって実施されます。

アジア人を対象とした二重臨床解釈システム

アジア人患者を対象とした、最高品質の臨床解釈を提供するために、アジア人に特有の遺伝子変異について、ケースによっては、試験結果を米国で分析すると同時に日本の順天堂大学のゲノム医学専門家によって分析いたします。 

Juntendo University 臨床ゲノミクスセンターと順天堂大学の医療チームは、長年アジア人の遺伝子検査を行ってきました。日本のバイオインフォマティクスの専門家と臨床医は、中国人および日本人を含むアジアの患者に特に特化した臨床解釈の実績を積んできました。


この遺伝子検査が適している方

従来、患者様ご本人や患者様のご家族がすでにメンデル遺伝病または単一遺伝子疾患の症状を抱えておられる場合、専門医は遺伝子検査を勧めてきました。

今までのマイクロアレイ方式に基づいた検査や、単一遺伝子またはパネルベースの遺伝子検査では病因の特定や診断がつけられない場合に、これらの検査は適しています。

したがって、医師は、生化学的な検査、マイクロアレイ方式に基づいた検査や、単一遺伝子またはパネルベースの遺伝子検査などに時間を使わずに、臨床エクソームシーケンシング検査を発注することにより、確定的な検査結果を見て、患者の評価を早期にすることができます。